『レジーム・チェンジ 恐慌を突破する逆転の発想』中野剛志著

Category : その他
世の中の人よりだいぶ遅れている僕も、やっと
『レジーム・チェンジ 恐慌を突破する逆転の発想』中野剛志著を読むことができました。

レジーム・チェンジ―恐慌を突破する逆転の発想 (NHK出版新書 373)レジーム・チェンジ―恐慌を突破する逆転の発想 (NHK出版新書 373)
(2012/03/08)
中野 剛志

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2012年3月発行のまだ民主党政権中に書かれた本ですが、その後の政権交代で安倍政権になってからの変化を見ると、僕が今まで正しいのでないかと思っていた新自由主義寄り?の考えとはまるで逆の、この本に書かれていることのほうがうまく経済の実態を説明しているように感じました。

この本でとくに印象に残ったのは以下のような箇所です。

・デフレ回避は、戦後の政策担当者や経済学者の常識であったにもかかわらず、これまで日本だけがデフレに苦しんできたのです。これは、言い換えれば、わが国の経済政策担当者や経済学者の大半が、経済政策上の常識すら身につけていなかったということです。

・私たちは、財政ではなく、経済を健全化しなければならないのです。政治家、産業界、経済学者、マスメディアは、「問題を先送りしてはならない」という台詞を好みます。消費税の造成も、財政再建や社会保障財源の確保といった「問題」を先送りしてはならないということで、正当化されています。しかし、先送りしてはならない真の問題は、一〇年以上も放置されているデフレの克服なのです。

・日本は98年にデフレに突入しましたが、それは橋本内閣における財政構造改革、すなわち消費増税と財政支出の削減に端を発しています。構造改革は、デフレの克服に貢献しなかったどころか、デフレの原因ですらあったのです。

・日本は、レーガン政権やサッチャー政権の新自由主義を見本に、構造改革を推進しました。デフレに転落しようというまさにその時に、インフレ退治のために人為的にデフレを引き起こそうという政策を実行してしまったのです。しかも、それを一〇年以上も続けた。これでは、日本経済が構造改革と共に深刻なデフレに陥り、そこから抜け出せなくなったのも、当然です。

・よく、資本主義と市場経済が混同されますが、このふたつは必ずしも同じではありません。金融機能がない実物だけの市場経済は、資本主義ではないのです。資本主義の肝である金融は、それが将来予想や期待に基づいて動くものである限り、決して安定的には機能しません。・・・逆に言えば、資本主義は安定へと向かうと考えている主流派経済学者は、「資本主義」と「市場経済」を混同しているのだといえます。さて、資本主義の心臓とも肺とも言うべき金融は、デフレ時には機能しなくなります。デフレとは、いわば資本主義が心配停止状態に陥ったということなのです。

・このTPPへの参加は、安価な農産品の流入や外資系企業の参入による競争の激化などを通じて、国内に強力なデフレ圧力を発生させるでしょう・・・まさにグローバル化によって生産性が向上するからこそ、供給過剰のデフレ下においては、さらにデフレ・ギャップが拡大し、デフレが悪化することになるのです。この白書の記述は、まさに政府がデフレについてまるで理解をしておらず、「デフレ・レジーム」の枠内でしか思考できていないことを示す証拠のひとつと言えるでしょう。結局のところ、さまざまな抜本的改革を推進した橋本政権や小泉政権であれ、政権交代による変化を求める声に応じて成立した民主党政権であれ、いずれも「デフレ・レジーム」という基本的な枠組みの中で右往左往しているだけに過ぎなかったのです。

・経済がデフレに陥ると、民間主導で投資や消費が伸びて、需要を拡大し、デフレを脱却するということはあり得なくなります。デフレでも、投資や消費を拡大できるのは、経済合理性を無視する愚か者だけです。ですが、そんな愚か者がいてくれなければ、デフレ下では需要は絶対に増えません。しかも、何十兆円という需要不足を補うほどに、巨額の投資や消費を行う大馬鹿者がいなければ、デフレを脱却することは出来ないのです。そのような大馬鹿者になれるのは、政府の他にありません。

・無駄な施設を造るよりも、必要な施設を造ったほうがよいのは間違いありません。それでも、デフレ時には、穴を掘って埋めるだけの公共投資であっても、全くやらないよりははるかにましなのです。そのような一見非常識なことが正しくなるのは、デフレがそれだけ異常な経済状況だからなのです。しかし、日本の場合は、無駄な施設を乱造する必要などありません。

・財政破綻した国というのは、自国通貨ではなく外貨建てで国債を発行していたがために、返済不能に陥ったのです。たとえば、最近では、ギリシャやイタリアなど、ユーロ加盟国の財政危機が問題化しています。これらの国々は、ユーロ建てで国債を発行しており、かつユーロの発行権を有していないがために、返済不能になるということがあり得るわけです・・・政府債務の規模それ自体は、財政危機の度合いを図る指標にはならないのです。

・国民にとって重要なのは、財政が健全であるかどうかではなく、経済が健全かどうかです。財政は国民経済のための手段に過ぎません。経済がデフレという異常事態である以上、その財政状態は収支いかんにかかわらず不健全なのです。しかも、仮に財政収支の均衡(健全化)が大事なのだとしても、デフレ不況で経済が縮小し続け、税収が下がっていく状況にあっては、財政を健全化することは所詮不可能です。財政を健全化したければ、まずはデフレを脱却しなければならないのです。ましてデフレ化での増税など、デフレを深刻化し、かつ財政をさらに悪化させるだけです。しかもそれを、私たちは九八年の橋本政権時の消費税増税と緊縮財政によって経験したはずではありませんか。

・日本では、経済が成熟化し、かつてのような高度成長は望めなくなったから、公共投資は不要であり、官主導から民主導の経済システムへと移行しなければならないといったような議論が数多くあります。・・・しかし、実際には、エクルズが言うように、成熟経済では、投資機会の低減により貯蓄過剰が慢性化し、デフレ圧力が発生しやすくなるのであり、ゆえに公共投資が需要不足を補う必要があるのです。

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香川県高松市のふじ家具センター代表藤澤琢磨です!家具修理・家具製作・家具デザインからソファ・椅子の張替えなどの話題をこのブログに綴ります。

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