「前例がないからやってみよう」 糸川英夫著 を読みました

Category : その他
「前例がないからやってみよう」 糸川英夫著 を読みました。

前例がないからやってみよう―不可能からの脱出 (カッパ・ブックス)前例がないからやってみよう―不可能からの脱出 (カッパ・ブックス)
(1979/12)
糸川 英夫

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この本の以下のような部分が印象的でした。

「お前は隼(はやぶさ)戦闘機を設計したことをレグレットと思っていないか。」開口一番、新聞記者がこういった。レグレットというのは、英語で遺憾に思うということである。そこで、わたしが「なぜレグレットなのか。」と反論すると、記者は「アイ・アム・ソーリー」といい、「じつは、隼戦闘機と戦ってオーストラリアの飛行機がたくさん落ち、大勢のパイロットが死んでいる。」と補足した。
 わたしは、それはまことに気の毒な事をしたと思った。が、記者にはそうはいわなかった。「とんでもない、私は少しも遺憾だとは思っていない。なぜなら、私は飛行機に関するプロであって、アマチュアではないからだ。オーストラリアのパイロットが乗っていた戦闘機、スピット・ファイア(イギリス)のデザイナーもプロだ。そのプロとプロが勝負するのに勝った負けたというのは、ごく当たり前のことで、落としたほうが勝ったということでしかない。私は、レグレットどころか、隼を設計したことを誇りに思っている。」
 これを聞いて新聞記者は仰天していたが、戦後何十年も経って、まだ、そんなことをいっている感覚には、わたしのほうがむしろ驚きであった。


鐘馗の設計が終わったとき、これが飛べばもうわたしは死んでもいいと思ったほどである。ところが、鐘馗のコンペチターは、国内の会社ではなく、ドイツのメッサーシュミットにきまった。国際競争になったのである。当時の陸軍は、メッサーシュミットでも、お前の会社の鐘馗でもどっちでもいいから、勝ったほうを採用するといった。・・・・・そして結果は、鐘馗の勝ちと出た。そのときの、メッサーシュミット側のいい分を、いまだに忘れることができない。「ドイツの飛行機が、日本なんかに負けるはずがない。メッサーシュミットが負けたのは、これを設計するときに、ドイツの空気にあわせて設計したから負けたんだ。」


すべての生物は、逆境のときだけ進歩するという法則がある。ピンチにぶつかるとピンチから逃れなければいけないために、何か発明、工夫をする。これが進歩につながる。


パイロットは、日本語でない言葉で何かいいたいことを、いっているわけである。・・・・・そこで、彼のいうタコとはいったい何か、どういう場合をタコがはりつくという言葉で表現しているのか、と、わたしはそれから、彼と同じ下宿に移り、およそ半年ばかりのあいだ彼といっしょに暮らした。・・・・・それで、戦闘機の翼を全部つくり直し、半年後に「もう一度飛んでみてくれないか、今度はたぶん、タコはいなくなっているはずだから。」といった。そして、試験飛行から降りたとき、彼は喜色満面でいった。「タコはいなくなったよ。糸川技師は若造のヘッポコだと思っていたけど、よくオレの言葉がわかってくれたな。俺は一生、お前の言うことは信用するぞ。」


わたし自身の経験からいうと、人間というものはたいへんにコンバーチブル(変換できる)な動物だということである。たとえば、商業学校の卒業生を採用しても、どしどしロケットの設計をさせる。ソロバンしか知らないような人間に対してでも、これとこれを組み合わせれば、こういうロケットができるはずだから、やってみなさいと問題をだすと、ちゃんとやってのけるのである。



隼 戦闘機




飛行機の設計ということ関連で、先日ヨットで遭難した人を助けた飛行機が話題になりましたが、その【救難飛行艇US-2】という飛行機は日本にしかない高性能救難飛行艇だということをインターネットで知りました。過酷な状況下でも遭難者を救出するために進化した独特の外観デザインが素晴らしいなあと思いました。



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香川県高松市のふじ家具センター代表藤澤琢磨です!家具修理・家具製作・家具デザインからソファ・椅子の張替えなどの話題をこのブログに綴ります。

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