トーア社製TOA食堂椅子のぐらつき修理【香川県高松市内のお客様】

Category : イス・ソファー張り替え修理
高松市内のお客様からトーア社製食堂椅子のぐらつき(がたつき)の修理を依頼されました。
当社に持ち込まれたその椅子は、背もたれがグラグラになっていて、座るのも危険な状態。聞くところでは、座っていた方が椅子の後脚だけで(前脚を浮かせて)揺らす「ロッキング」と呼ばれる椅子にとって良くない使い方をされていたそうです。

設計関係の方とかなら一見して分かるかもしれませんが、この椅子はどちらかというとデザインが優先され強度面でデリケートさを持っています。なのでお客様には修理してもまたすぐ壊れるといけませんのでオリジナル仕様を変更させてもらうかもしれませんとお断りしてからお預かりしました。

※ここでお断りしなければいけないのは、この椅子は少しだけ強度面でデリケートな性格を持っていますが決して悪い椅子ではないということです。使い心地が良く、ご購入から20年経った現在もお客様にご愛用され続けているからこそ当店に修理依頼が来たのです!主材が楢材で国産品という、コスト高につくこのような椅子は今では量産品には大変少なくなっていますので当社としても大切に使っていってもらいたいと思う稀少品なのです。また皆さんに知っておいてもらいたいのは、壊れない椅子はないということ。木製椅子は乱暴な扱いをして打ち所が悪いと購入後すぐにでも壊れてしまうこともあるのです。昔と違って、壊れたとき修理にだしてもらえる椅子は珍しくなっています。中国製や東南アジア製の大量生産された椅子が安価に買えるからです。その意味で、今回のように椅子を大切にして修理に出してくれるお客様とその椅子は素晴らしい関係を築いているのだと思います。

作業はまず修理のため椅子を部品の状態に分解したあと、お客様が修理した?時のコーキング剤のようなものや、あとから入れたネジ、新旧の接着剤をすべて除去していきます。椅子がぐらついたり壊れたときは、できるだけ何もせず早めに当社や家具の修理が出来る専門店、メーカーに持ち込んでくださいませ。椅子は本格的な工具が無いと修理できません。お客様が安く済まそうとHCなどで買ってきた材料・工具で手を加えると、逆に椅子の状態が悪くなって修理代が増えてしまうことも多いのです。

トーア製食堂椅子のぐらつき修理【香川県高松市内のお客様】a

トーア製食堂椅子のぐらつき修理【香川県高松市内のお客様】b

後脚と座枠の接合部は、てこの原理が働いて一番力がかかる部分ですが、この椅子では後脚が背もたれと一体化したパネル状で厚みが20mmしかありません。その為2本のほぞ(ここでは木ダボ)が14mm程しか後脚に入っていません。それでもこの頃の接着剤は高性能ですから接着剤の層が切れるような衝撃や力を加えない限り問題なく使えるのだと思います。

そしてもしその接合が切れた場合も、この椅子には三角形の隅木が付けてあるのでダボ接合自体がはずれるまでの極端な破壊は防げるはずでした。 ※下の写真は修理後に写したもの(白い矢印が後枠材)
トーア製食堂椅子のぐらつき修理【香川県高松市内のお客様】c2

ところが、ここで背もたれと座枠のあいだに独立した部品として後枠材をわざわざ取り付けたことで事情が複雑になってきます(笑)。せっかく補強のための隅木を付けるのなら、この椅子のように間接的にでなく背もたれ材に直接つなげ、空いたところにだけ座板受け材を付けるほうが構造的に強いような気もするのですが・・。この椅子の弱点となったのは、独立して取り付けた後枠材が高さ方向のセンターに入れられたネジと接着剤塗布によって固定されていたことでした。写真のように天然木の寄せ木で作った曲面の背もたれと、それに合わせて加工された天然木の後枠材側の曲面は、新品の時には機械で寸分の隙間なく加工されてピッタリフィットしていますが、木目方向が違って柾目でもなく樹種も違っていて広い面積ですから、天然木本来の性質が出て、お互いが少し反ったりゆがんだり伸縮しているうちに接着が切れてきたのだと思われます。

そのようにして接着剤が切れてしまうと、残るは高さ方向中心部に打たれたネジ計3本だけが椅子の前後をつないでいるので、強く捏ねる力がかかると簡単にネジが背もたれからはずれたり、折れたりして最終的に椅子が分解することになったのでしょう。

このようにデリケートな設計の椅子なので、元のように修理してもすぐ同じように壊れる可能性が高いと思って仕様変更させてもらうことにしました。変更点は、独立した後枠材と背もたれとの接合がグラグラだったので、捩じれの力がかかってもグラグラしないようネジは高さ方向センター1本打ちでなく上下2本打ちにしたのと、新たに木ダボも上下に数箇所入れて接着力を上げ、面が接着切れしてもネジを折る部材同士の位置ズレが発生しないようにしてみました。

トーア製食堂椅子のぐらつき修理【香川県高松市内のお客様】c


クランプ工具で圧締することで強度を持った接着ができます。
いくら良い接着剤を使っても工具で圧着しないと接着する部材同士のあいだに隙間が出来てしまい、再使用してすぐに接着が切れグラグラになってしまう可能性が高いです。

トーア製食堂椅子のぐらつき修理【香川県高松市内のお客様】d


座面を取り付けて修理完了です。

トーア製食堂椅子のぐらつき修理【香川県高松市内のお客様】e


香川県高松市で椅子の張り替えや修理・再生をしています
〒761-1705
香川県高松市香川町川東下606-6
(有)ふじ家具センター
TEL087-879-1009


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香川県高松市のふじ家具センター代表藤澤琢磨です!家具修理・家具製作・家具デザインからソファ・椅子の張替えなどの話題をこのブログに綴ります。

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