お客様からできるだけ5月中にと追加で依頼されていた
古い座卓の塗り替え修理が完了しました。
まあ適当に、本格的にしないで良いからと言われていたのですが
よく見ると脚がぐらついていたりしたのでいったん部品にまで分解して
悪いところを修理してから塗装を全て落として再組立て再塗装しました。
色は元々は黒色だったのですがお客様ご指定で朱色に近い赤味の強い色
「猩猩緋・しょうじょうひ」という色に変更しました。
この座卓は塗り替えたら黒いソファーのある洋室に置くので朱色よりも鮮やかなこの猩猩緋という色が良いとのこと。色音痴の僕としては何の異論も無いのですが(笑)、塗装や着色の技術的な事についてはまかせてもらったので今回ペンキのような不透明彩色ではなく木目の透ける着色、つや消し仕上げとしました。
※脚がもっと張り出したり(O脚みたいに)、もっと暴れた形のもの、逆に装飾のほとんど無いストレート角脚の座卓なら形だけで説得力があるので不透明色の色物でもきれいだと思うのですが、今回の座卓は一般的なものなので不透明色で塗ってしまうと無難な形だけが強調されすぎて失敗しそうな気もしたのでお客様との打ち合わせで素材感も見せるため木目の透ける着色にさせていただきました。
塗り替え修理前 BEFORE

塗り替え修理後 AFTER


矢印のところに線彫りがあるので時間がかかりました。
この線彫りは元の彫りが浅めで、オリジナルの塗装時でも塗膜の厚みで溝が埋まりかけていたのに塗装を完全に落としてペーパーがけしたのでほとんど消えてしまい(笑)、必死で彫り直しました!
塗り替え修理工程は以下のとおりです
・部品に分解
・部品の悪い部分の修理・修正
・塗装はがし
・再組み立て
・パテ入れ
・研磨(ペーパーがけ)
・水引き
・再研磨
・再塗装(下塗り・中塗り2回・上塗り2回)
今回の塗り替え修理料金の内訳は
・塗料&着色料&溶剤代 6,800円
・手間賃20時間 20,000円
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合計金額 26,800円
※今回大きく波打っていた天板の研磨や、脚と幕板に線彫りがあり塗装落としで線が消えさらい彫りしたので計上した以上に時間がかかりました。この座卓は正方形ですが、これが長方形の大きなものになっても修理代金はほとんど変わりません。
以下修理過程の写真です部品に分解して天板表面を研磨中。細かく波打っているのが分かりますか?
天板はランバーコアのような構造で中に並べている細い天然木の芯材が動いて波打って(段差ができて)います。

修理などしたあとで再組み立て

割れ部分や溝にパテを埋めて研磨

一通りペーパーがけした後、水引きします

乾燥したら仕上げのペーパーがけ

中塗り2回目が終わった段階。この段階ではツヤがあります。
このあと仕上げ塗りを2回しました。